積極的に発毛を促す「攻め」の治療薬として人気の「ミノキシジル外用薬」。ドラッグストアでも購入できる手軽さから、AGA治療の入り口として試す方も多いでしょう。内服薬に比べて全身性の副作用のリスクが低いのが大きなメリットですが、副作用が全くないわけではありません。ミノキシジル外用薬で最も一般的に見られる副作用は、塗布した部分の頭皮に起こる「皮膚症状」です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。まず、「かゆみ」と「発疹・赤み」です。塗布した後に頭皮がむずがゆくなったり、赤みを帯びたりすることがあります。軽い症状であれば様子を見ることもできますが、我慢できないほどのかゆみが続く場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談する必要があります。次に、「かぶれ(接触性皮膚炎)」です。これは、ミノキシジル成分そのものや、製剤に含まれる他の成分(基剤であるプロピレングリコールなど)に対するアレルギー反応や刺激によって引き起こされます。頭皮が赤く腫れたり、じゅくじゅくしたり、強いかゆみを伴ったりします。また、「フケ」や「頭皮の乾燥」が気になるようになることもあります。これは、製剤に含まれるアルコール成分などが頭皮の皮脂を奪い、乾燥を招くことが原因と考えられます。これらの皮膚症状が現れた場合の対処法としては、まず使用を一旦中止し、頭皮を休ませることが基本です。症状が軽い場合は、使用頻度や量を減らすことで改善することもあります。また、製品によって基剤の成分が異なるため、他のメーカーの製品に変えることで症状が出なくなるケースもあります。ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接作用する薬です。だからこそ、頭皮の状態を日々よく観察し、異常を感じたらすぐに対処するという意識を持つことが、安全に治療を続けるための鍵となります。