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生え際後退の判断基準!M字はどこからがAGAなのか
額の広さや形には生まれつき個人差があるため、「どこからがM字はげなのか」という明確な定義はありません。しかし、AGA(男性型脱毛症)による生え際の後退には、いくつかの特徴的なパターンがあり、それを知ることが客観的な判断基準となります。AGAによるM字部分の後退は、多くの場合、左右の剃り込み部分から徐々に進行していきます。以前は産毛があった部分の毛が細くなり、やがて生えなくなって、額がアルファベットの「M」の形に見えるようになっていきます。セルフチェックで使える簡単な判断基準の一つに、「指を使った確認方法」があります。眉を上げて額にしわを寄せた際にできる一番上のしわのラインと、生え際の中央部分との間に、指が何本入るかを確認します。一般的に、指が2本程度であれば正常範囲、それ以上に隙間が広がっている場合は、生え際が後退している可能性があります。しかし、これも元々の額の広さに左右されるため、最も信頼できる判断基準は「過去の自分との比較」です。数年前の写真と現在の写真を見比べた時に、明らかに剃り込み部分が深くなっている、あるいは生え際のラインが上がっていると感じる場合は、AGAが進行している可能性が高いと言えるでしょう。また、後退している部分の髪質も重要な判断材料です。生え際の髪の毛が、他の部分の髪に比べて細く、弱々しくなっていませんか。髪の毛が細くなる「軟毛化」は、AGAの典型的な初期症状です。産毛のような頼りない毛しか生えてこなくなったと感じるなら、それは毛母細胞の働きが弱まっているサインです。M字はげは、ゆっくりと、しかし確実に進行します。生まれつきの額の形だと自己判断して放置するのではなく、これらの判断基準を元に、客観的な視点で自身の変化を捉え、少しでも疑いがあれば専門医に相談することが、将来の髪を守るための最善策となります。
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抜け毛を止める守りの要!フィナステリドという選択肢
AGA(男性型脱毛症)治療の世界において、最も基本的かつ中心的な役割を担う治療薬が「フィナステリド」です。商品名である「プロペシア」という名前でご存知の方も多いかもしれません。多くのAGA専門クリニックで第一選択薬として処方されるこのフィナステリドは、AGAの進行を食い止める「守りの治療薬」の代表格と言えます。その最大の役割は、AGAの根本原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することにあります。私たちの体内では、5αリダクターゼという酵素が、男性ホルモンであるテストステロンをDHTに変換しています。フィナステリドは、この5αリダクターゼ(特にⅡ型)の働きを特異的に阻害することで、DHTの濃度を低下させます。これにより、DHTが毛根に与えるダメージが軽減され、乱れてしまったヘアサイクルが徐々に正常な状態へと戻っていきます。つまり、髪の毛が細く短いまま抜け落ちてしまうのを防ぎ、一本一本の髪が本来の寿命を全うし、太く長く成長するための時間を確保するのです。その主な効果は、現状の髪の状態を維持し、これ以上の抜け毛を防ぐことにあります。もちろん、抜け毛が減り、ヘアサイクルが正常化することで、結果的に髪全体のボリュームが増え、発毛効果を実感する方も少なくありません。しかし、その本質はあくまで「守備の要」です。服用は、通常1日1回、毎日決まった時間に続けることが重要です。効果を実感するまでには、最低でも3ヶ月から6ヶ月程度の継続が必要であり、途中でやめてしまうと、再びDHTの生成が始まり、AGAは進行してしまいます。AGAという手強い敵の猛攻を食い止め、反撃の体制を整えるための重要な砦。それがフィナステリドという治療薬なのです。
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その抜け毛はAGAのサイン?危険な抜け毛の判断基準
毎日ある程度の髪の毛が抜けるのは、正常なヘアサイクルの一部であり、生理現象です。一般的に、健康な人でも一日に50本から100本程度の髪は自然に抜け落ちています。しかし、その抜け毛の中に、AGA(男性型脱毛症)の進行を示す「危険なサイン」が隠されていることがあります。抜け毛の「量」と「質」を見極めることは、AGAの可能性を判断する上で非常に重要な基準となります。まず「量」についてですが、明らかに100本を超える抜け毛が連日続くようであれば、注意が必要です。特に、シャンプー時の排水溝や、ドライヤー後の床、朝の枕などに、以前と比べて明らかに抜け毛が増えたと感じる場合は、ヘアサイクルが乱れている可能性があります。ただし、季節の変わり目などは一時的に抜け毛が増えることもあるため、量だけで判断するのは早計です。そこで、より重要になるのが抜け毛の「質」という判断基準です。ルーペなどを使って、抜け落ちた髪の毛をじっくりと観察してみてください。正常なヘアサイクルを終えた健康な髪の毛は、ある程度の太さと長さがあり、毛根部分がマッチ棒の頭のように、ふっくらと丸みを帯びています。これは「棍棒毛」と呼ばれ、自然な寿命を全うした証です。一方、AGAによってヘアサイクルの「成長期」が短縮されて抜けた髪は、全体的に細く、短く、色も薄い傾向があります。そして、毛根部分を見てみると、ふくらみがなく、尖っていたり、白い付着物(皮脂など)が付いていたりすることがあります。このような「未熟な毛」や「細い毛」の割合が増えていると感じたら、それはAGAが進行している強いシグナルです。髪の毛が十分に成長する前に、弱々しいまま抜け落ちてしまっている証拠なのです。日々の抜け毛をただ捨てるのではなく、その質を観察する習慣をつけること。それが、目に見えない頭皮の変化を察知するための、確かな判断基準となります。
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つむじはげの判断基準!AGAによる頭頂部の危険サイン
自分では直接見ることが難しく、他人からの指摘で初めて気づくことも多いのが、頭頂部の薄毛、いわゆる「つむじはげ」です。生え際の後退と並び、AGA(男性型脱毛症)の代表的な症状の一つであり、その変化を見極めるための判断基準を知っておくことは非常に重要です。まず、正常なつむじとAGAによる薄毛のつむじを見分けるポイントは、「地肌の見える範囲」です。健康なつむじは、髪の毛が渦を巻いている中心部が点のように見えるか、見えたとしてもごく狭い範囲です。これに対し、AGAが進行すると、つむじ周辺の髪の毛が細く短くなる「軟毛化」が起こり、地肌が透けて見える範囲が明らかに広がってきます。渦の中心がぼやけ、全体的に地肌が露出しているように感じる場合は、注意が必要です。次に、「髪の毛の流れとボリューム」も重要な判断基準です。健康な頭皮からは、太くしっかりとした髪の毛が生えているため、つむじには明確な渦の流れが見られます。しかし、AGAによって髪が細くなると、この渦が不明瞭になり、髪の毛がぺたんと寝てしまって、トップ全体のボリュームが失われたように感じられます。髪をセットしても、つむじ周りだけがふんわりと立ち上がらない、というのも危険なサインの一つです。また、「頭皮の色」もチェックしてみましょう。健康な頭皮は青白い色をしていますが、血行が悪かったり、皮脂の過剰分泌で炎症を起こしたりしていると、赤みがかっていたり、黄色っぽく見えたりすることがあります。このような頭皮環境の悪化も、薄毛の進行に繋がりかねません。これらの判断基準を確認するためには、合わせ鏡を使ったり、スマートフォンで頭頂部の写真を撮影したりするのがおすすめです。定期的に写真を撮って比較することで、わずかな変化にも気づくことができます。つむじはAGAのサインが現れやすい場所。客観的な判断基準をもって、早期発見に努めましょう。