髪の毛が抜けるという現象の裏には、実に様々な原因が潜んでいます。もしあなたが最近、抜け毛の増加に悩んでいるなら、その背景にどのような要因が考えられるのかを知ることは、適切な対策への第一歩となります。男性の抜け毛で最も多い原因が「AGA(男性型脱毛症)」です。これは、遺伝的な要因と男性ホルモンの影響によって引き起こされる進行性の脱毛症で、生え際や頭頂部から薄くなるのが特徴です。男性ホルモンが変換されたDHT(ジヒドロテストステロン)という物質が、髪の成長を妨げ、ヘアサイクルを短縮させてしまうのです。女性の場合も、「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれる同様の症状があり、特に更年期以降のホルモンバランスの変化が大きく影響します。また、男女共通の大きな原因として、「生活習慣の乱れ」が挙げられます。偏った食事による栄養不足は、髪の毛の材料が足りない状態を作り出します。特に、髪の主成分であるタンパク質や、その合成を助ける亜鉛、ビタミン類が不足すると、髪は細く弱々しくなってしまいます。さらに、「睡眠不足」も髪にとっては大敵です。髪の成長を促す成長ホルモンは、深い眠りの間に最も多く分泌されるため、睡眠の質と量が低下すれば、髪は十分に育つことができません。そして、現代人にとって避けては通れない「ストレス」も、抜け毛の大きな引き金となります。強いストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させます。これにより、毛根に十分な栄養が届かなくなり、抜け毛が増加するのです。このほかにも、出産後のホルモンバランスの急激な変化による「分娩後脱毛症」や、自己免疫疾患の一種である「円形脱毛症」、あるいは甲状腺の病気といった、医学的な治療が必要なケースもあります。あなたの抜け毛の原因は、一つだけではないかもしれません。これらの要因が複雑に絡み合っていることも多いのです。