AGAいわゆる男性型脱毛症はただ漫然と髪が薄くなるのではなく特定のパターンを持って進行していく疾患でありその進行度合いを客観的に評価するための世界共通の物差しとして広く用いられているのが「ハミルトン・ノーウッド分類」です。この分類法は1950年代にハミルトン医師が考案し後にノーウッド医師が改定したもので薄毛の進行パターンをⅠ型からⅦ型までの7段階(細かく分けると12〜13パターン)に分類しており医師が診断を下す際や治療方針を決定する際の最も基本的かつ重要な指標となっています。まず初期段階であるⅠ型は生え際の後退がほとんど見られないか極めて軽微な状態で外見上は薄毛とは認識されにくいレベルですが将来的なリスクを考慮して予防を始めるには最適な時期と言えます。Ⅱ型になると額の生え際がM字型に後退し始めいわゆる「剃り込み」が深くなったように見え始めますがまだ頭頂部の薄毛は見られません。さらに進行したⅡvertex型ではM字の後退に加えて頭頂部(vertex)にもO型の薄毛が現れ始めるのが特徴でここからが本格的なAGAの治療対象となることが一般的です。Ⅲ型はM字の後退がさらに顕著になり生え際が頭頂部に向かって深く切り込んでいく状態でここからが医学的に「薄毛」と判定される境界線とされています。Ⅳ型に進むと生え際の後退と頭頂部の薄毛がさらに拡大しますがまだ両者の間には正常な毛髪のバンド(橋渡し部分)が残っており辛うじて繋がっている状態です。Ⅴ型ではそのバンドが徐々に細くなり生え際と頭頂部の薄毛部分が繋がりそうになります。そしてⅥ型になるとバンドが消失し生え際から頭頂部までが完全に一つの大きな薄毛エリアとして繋がり側頭部と後頭部にしか髪が残っていない状態になります。最終段階であるⅦ型は側頭部や後頭部の髪も減少し耳の周りや襟足にわずかに髪が残るのみという最も進行した状態を指します。この分類を知ることの最大のメリットは自分が今どのステージにいるのかを客観的に把握できる点にあり例えば自分がまだⅡ型であれば「内服薬だけで十分に回復が見込める」と判断できますしもしⅤ型やⅥ型であれば「内服薬に加えて植毛などの外科的処置も検討する必要があるかもしれない」と現実的な治療プランを立てる助けになります。多くの人は鏡で正面からの顔しか見ないため自分の薄毛レベルを過小評価しがちですがこの分類図と照らし合わせることで頭頂部などの見えにくい部分のリスクにも気づくことができ早期発見・早期治療への意識を高めることができます。自分の現在地を知ることはゴールへの距離を測ることでありハミルトン・ノーウッド分類はAGAという迷宮からの脱出ルートを示す地図のような役割を果たしてくれるのです。