自分では直接見ることが難しく、他人からの指摘で初めて気づくことも多いのが、頭頂部の薄毛、いわゆる「つむじはげ」です。生え際の後退と並び、AGA(男性型脱毛症)の代表的な症状の一つであり、その変化を見極めるための判断基準を知っておくことは非常に重要です。まず、正常なつむじとAGAによる薄毛のつむじを見分けるポイントは、「地肌の見える範囲」です。健康なつむじは、髪の毛が渦を巻いている中心部が点のように見えるか、見えたとしてもごく狭い範囲です。これに対し、AGAが進行すると、つむじ周辺の髪の毛が細く短くなる「軟毛化」が起こり、地肌が透けて見える範囲が明らかに広がってきます。渦の中心がぼやけ、全体的に地肌が露出しているように感じる場合は、注意が必要です。次に、「髪の毛の流れとボリューム」も重要な判断基準です。健康な頭皮からは、太くしっかりとした髪の毛が生えているため、つむじには明確な渦の流れが見られます。しかし、AGAによって髪が細くなると、この渦が不明瞭になり、髪の毛がぺたんと寝てしまって、トップ全体のボリュームが失われたように感じられます。髪をセットしても、つむじ周りだけがふんわりと立ち上がらない、というのも危険なサインの一つです。また、「頭皮の色」もチェックしてみましょう。健康な頭皮は青白い色をしていますが、血行が悪かったり、皮脂の過剰分泌で炎症を起こしたりしていると、赤みがかっていたり、黄色っぽく見えたりすることがあります。このような頭皮環境の悪化も、薄毛の進行に繋がりかねません。これらの判断基準を確認するためには、合わせ鏡を使ったり、スマートフォンで頭頂部の写真を撮影したりするのがおすすめです。定期的に写真を撮って比較することで、わずかな変化にも気づくことができます。つむじはAGAのサインが現れやすい場所。客観的な判断基準をもって、早期発見に努めましょう。