FAGAの治療をクリニックで始めたからといって、全てを医師任せにして良いわけではありません。治療効果を最大限に引き出し、健やかな髪を育むためには、日々の生活習慣を見直し、体を内側から整える「セルフケア」が不可欠です。まず、最も重要なのが「食事」です。髪の主成分はタンパク質。肉、魚、卵、大豆製品を毎食バランス良く摂り、髪の材料をしっかり補給しましょう。特に、大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることが知られており、ホルモンバランスをサポートする上で積極的に摂取したい食品です。また、貧血気味の女性に不足しがちな「鉄分」(レバー、ほうれん草など)や、髪の生成を助ける「亜鉛」(牡蠣、牛肉など)も意識して摂りましょう。次に、「睡眠」の質を高めることです。髪の成長を促す成長ホルモンは、夜10時から深夜2時のゴールデンタイムに、深い眠りについている間に最も多く分泌されます。寝る前のスマートフォン操作を控え、リラックスできる環境を整え、毎日7時間程度の睡眠を確保するよう努めましょう。「ストレスケア」もFAGA改善には欠かせません。ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行を悪化させます。ウォーキングなどの軽い運動や、ゆっくりと湯船に浸かるバスタイム、趣味に没頭する時間など、自分なりのリラックス方法を見つけて、上手にストレスを発散させることが大切です。そして、日々の「ヘアケア」も見直しましょう。洗浄力の強すぎるシャンプーは避け、頭皮の潤いを守るアミノ酸系の優しいものを選びます。洗髪時は爪を立てず、指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗い、すすぎは徹底的に。これらの地道な努力は、すぐに結果が出るものではありません。しかし、治療というアクセルを踏みながら、生活習慣という土台を固めることで、あなたの髪はきっと応えてくれるはずです。