鏡の前で自分の髪型の違和感に気づいたあの日のことは今でも鮮明に覚えていますが、それは単なる寝癖や照明の加減だと思い込もうとする必死の抵抗から始まりました。毎朝のセットが決まらなくなり以前よりも前髪の隙間からおでこが見える面積が広くなったように感じた時、私はまだ二十代後半でありAGAの発症など自分には無縁の話だと信じ込んでいました。しかし洗面台や枕元に落ちている抜け毛の量が増えていることは否定しがたい事実であり、特に風呂上がりに濡れた髪を鏡で見た時の絶望感は言葉にできないものがありました。濡れることで髪の束感が強調され地肌が露わになる様子は、まさにネットで検索して出てくるAGA発症の初期症状そのものであり、認めたくない現実を突きつけられた瞬間でした。それからというもの街ゆく人々の頭髪ばかりを目で追うようになり、自分と同年代でフサフサな人を見ては劣等感を抱き、少し薄くなっている人を見ては妙な親近感と安堵を覚えるという精神的にも不安定な日々が続きました。AGA発症を自覚することは男としての自信を喪失するような感覚に陥りがちですが、私の場合はインターネット上の体験談やブログを読み漁ることで自分だけではないという事実に救われました。多くの人が同じように悩み葛藤しそして治療という一歩を踏み出していることを知り、私も勇気を出して専門クリニックの無料カウンセリングを予約することにしました。医師からマイクロスコープで頭皮の状態を見せられ、典型的なAGAの所見である軟毛化が進んでいると説明を受けた時、ショックを受けるどころかようやく原因がはっきりしたことで逆に心が軽くなったのを覚えています。AGA発症は決して恥ずかしいことではなく遺伝や体質による生理現象の一つであり、早期に気づき対策を講じることで進行を食い止めることができるという希望を持てたことが、私にとっての大きなターニングポイントとなりました。あの時、現実から目を背けずに自分の髪と向き合ったことが今の自信を取り戻した自分に繋がっていると確信しています。
自分がAGAを発症したと気づいた瞬間